Full Text of the Wellington ACTA Declaration translated to japanese: http://publicacta.org.nz -- ウェリントン宣言
PublicACTA Conference(2010年4月10日)より
序文
このウェリントン宣言は、模造品・海賊版拡散防止条約(ACTA)交渉国に対して、2010年4月10日に開催されたthe PublicACTA Conferenceにおいて提起された。
2010年3月10日の欧州議会において決議されたthe Transparency and State of Play of the ACTA Negotiations (P7_TA(2010)0058)に従い、ACTAは偽造品(不正商品の大規模商業生産)に対する施行に関する合意に留まるべきである。
この宣言では、第1部では概要および原則を、第2部ではウェリントン・ラウンドにおいて議論された具体的な論点について述べる。
第1部:概要および原則
インターネット保護
インターネットの普及は、創作性および革新、知識の共有、市民の関与そしてデモクラシーを促進し、さらに経済成長、ビジネスチャンスの動力となっている。これはインターネットのオープン・プロトコル、およびそのジェネラティビティという特性に大きく因るものである。この特性によって、誰もがアクセス可能であり、また誰もが新しいアプリケーションを作り、新しい使用方法を見つけ出すことの可能性を無限にしている。ACTAではこれらの特性を維持することが求められる。
交渉に向けてのフォーラム
我々は世界知的所有権機構(WIPO)が、著作権、商標、特許権に関する多国間での合意に向けての交渉(および施行のための委員会)における、公示的・包括的・透明的なプロセスを採用していることに留意する。よって我々は、これらの問題に対する実質的な対策を交渉するための理想的なフォーラムとして、WIPOを支持する。
ACTAの目的
著作権の目的は、著作者の著作物に対するある程度の権利を定め、公益のために著作物の創造および配布を促進することである。ACTAはこれが脅威にさらされており、より進んだ著作権保護の必要性を訴える。ACTAは、独自の証拠を用いて、この問題を解決することを目的としている。
プロセス
ACTAのプロセスにおける変革の必要性
透明性 自由な社会において、市民の監視、および公に対する説明責任が重要であることは明らかである。ACTAのプロセスに対して、各交渉ラウンド後の刊行などを含め、完全なる透明性の保証、および市民の監視を受け入れることを求める。各国政府は公からの特別な懸念に対して対応することを躊躇してきた。市民の監視は、合意が望まない結論に至ることを阻止し、また利益の最大化を促進するであろう。
インパクト分析 各国政府がACTAに調印するには、各国の合意による経済、社会、環境、および文化への影響を対象とした独自のインパクト分析が不可欠であろう。そのような分析は調印に先立って公表される必要があり、市民監視およびその徹底性の考慮がオープンになされるものとなる。
参加 ACTAのアジェンダ、スコープの設定において、広い参加が必要である。交渉および協議プロセスにおいて、全員参加およびドラフトの見直し、改善のために広い見識からのインプットを可能にする必要がある。すべての政府が交渉プロセスに参加するように招集されることが不可欠である。そして、インプットは、教育、保健、芸術文化、情報科学、NGO、消費者保護団体などの影響を受けるセクターからなされる必要がある。
地域柔軟性
我々は地域柔軟性の重要性を主張し、地域の文化、志向、また公益概念が著作権、商標、特許法に反映されるように、これらに対する民族自決 (tino rangatiratanga) 、主権の保護を求める。
第2部:ウェリントン・ラウンドにおける具体的論点
より広い著作権、商標、特許問題について交渉が続けられる必要がある。我々は各国に対し、特に以下の点について考慮を求める。
例外と制約
ACTAは、著作権における基礎となるバランスを維持するため、公正使用、公正取引といった例外および制約に対処する必要がある。
技術的保護手段(TPMs)
ACTAは特に、著作権による利益の履行を促すものである。TPMsはアクセス、また制限に関するものである。現行の著作権法は違反に対処するに十分であるため、合意の範囲外であるTPMsは擁護されるべきではなく、著作権が機能すべきである。
ACTAがTPMsに対する法的保護を求めた場合、WIPO Internet Treatyの11条の及ぶ範囲を超えるべきではない。TPMsによって利用者の著作物に対するアクセスを侵害、制限されるべきではない。
民事訴訟の保護
ACTAは国内の民事訴訟手続きを覆すものであってはならない。著作権の侵害を告発される側も、頑健な消費者保護およびセーフガード、適正な手続きへのアクセスを保障される必要がある。
プライバシー
我々は、利用者の個人情報、IPアドレスなどの消費者のプライバシー情報の保護の重要性を強調する。ACTAは適切な手続き、または司法監視を伴わない個人情報の第3者への開示請求を許可するべきではない。また、いかなる既存のデータ保護制度、プライバシー保護制度を制限するものであってはならない。さらに、監査の導入もされるべきではない。
仲介者
ACTAは人々がインターネット利用で便益を享受しているのは、主にISPs, ウェブサイト・ホスト、サーチエンジンなどの仲介者の存在に因ることを認識すべきである。彼らの役割は保護、促進されるべきである。
システムもしくはネットワーク上のコンテンツを開始および管理しない仲介者は、第3者の違反に対処するために作られた、義務を強制することを前提としていないセーフハーバーによる利益を保障されるべきである。
ACTAは二次的著作物の利用権を義務付けるべきではない。
インターネットアクセス
社会参加のための、インターネットへのアクセスの必要性は増大している。 通信の切断、アカウントの差し止め、サービスの制限は、人権に対して多大な損害を与える。ACTAはこれらを著作権、商標の違反行為に対する制裁措置として認めるべきではない。
損害賠償
損害賠償は、 ・それぞれの主権国家において、裁判所などの法的権威のみによって 決定されるべきである。 ・故意の、そして実際の損害に比例するべきである。 ・法定損害賠償制度によって履行されるべきではない。
刑事責任
ACTAは高い基準の刑事責任を提供する必要がある。ACTAは個人使用および個人の行動を“商業的”違反として見直すべきではない。
ACTAは、直接的、故意的営利目的の大規模商業違反問題を認め、バランスのとれた犯罪対策の必要性を認識するべきである。
Done at Wellington, New Zealand on Saturday 10 April 2010.
Civic Suites, Wellington Town Hall.
Further information regarding this Declaration is available from the PublicACTA website:
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